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記録媒体保存論レポート/清水
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-主に電子媒体について
これまで石板や粘土板から布や木板、パピルス、羊皮紙、そして紙と、より多くの情報を書き残すために、書きやすく入手しやすい記録媒体が生み出されてきた。
新しく生まれた電子媒体は、今注目され進化している記録媒体のひとつで、文字や画像などをデジタル化して記録し、紙よりも多くの情報を、より小さな媒体に記録することができる。
また電子媒体の利点として映像や音声などの動きのある情報も記録できることと、情報の探索が容易なことがあげられる。
例えば長い文章から単語を探すとき、紙では眼で追っていかなければならないが、電子文書では簡単に目的の単語を探し出すことができる。
またデジタル情報は、インターネット上に載せることによって、どこからでもアクセス可能になるという利点もある。
しかし、これまでの紙などの記録媒体と違い、電子媒体自体から人の眼で見える形では書き込まれておらず、機器を通してしか読むことができないため携帯性に欠けるうえ、OSやハードなどの使用機器が変わると読めなくなる場合もあり、データも新しい媒体に更新していくことが必要である。
またデジタル情報は後からの追加や更新作業が容易な分、消去、改ざんなどがされやすく、証拠性などの価値が低くなるため、誰の物であるのか、もともとの物であるのかなど、真正性を確保していかなければならない。
保存については、紙のように閲覧によって痛んでいくことはないが、永久保存の方法がまだ確立されていないため、重要なものは複数の(種類の)媒体に保存するのが望ましい。
まだ電子媒体の歴史は浅いため、これから研究が進めば上記の欠点が解消され、電子媒体がより普及していくかもしれない。
しかし、長年慣れ親しまれ、酸性紙の問題があるとはいえ100年近く記録を保った実績があり、なにより読むのに技術が不要である紙媒体の図書や資料が、そう早くに減少するとは思えない。
素材の質感や繊維などは電子媒体では決して表現できないものだし、少なくとも完全に無くなったりはしはないだろう。
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