【いさび交遊録】 第07話
登場人物:真田敬祐・清水・高松晃樹

 

 

 

 真田敬祐、高松晃樹の二人は、清水が持ち込んだゲームで暇を潰してい
た。

 当の持ち主は隣で、締め切りの過ぎた原稿の執筆をしている。

「ちょっといいかな?」 真田がゲームのコントローラーを操りながら、隣に
座る高松に声をかけた。

「何?」 高松も手を止めずに応じる。

 二人とも普段はほとんどゲームをやらないが、清水が持ち込んだものをや
るうちに少しずつ上達していき、動きもなかなか様になっていった。

「ふと思ったんだが、この女性はどうしてこんな扇情的な格好をしているの
かな?」

 言われて高松は、二人同時プレイのために分割された画面の左側、真田
の操るキャラクターを見た。

 コンピューターの操る屈強な男たちを蹴散らして進む、極めて露出度の高
い女性が映っている。

 突然何を聞くのか? 高松は急におかしくなって笑い始めた。

「ふぉっふぉっふぉっふぉ」

 コントロールを失った高松のキャラクターは、コンピューターに殴り飛ばさ
れ、谷底へと落下していく。

 真田はゲームを一時停止し、高松の笑いが収まるまで、しげしげと女性キ
ャラクターを眺めていた。

 

 

第08話に続く