Don`t be mother !

 

 

T「本編前」

画面右下「いさび作品、2004盛夏」。

中央にマーク。

共に溶解。

 

U「本編」

張り紙「堕胎室(Don't be mother!)」。

白を基調とした部屋。

中央に事務机、資料やファイルが山積み。

向かい合って白衣の医師と女。

女は我が子を失った悲しみとこれから死ぬまで引きずっていく堕胎という経験に絶望している。やや放心しているようにも映る。

医師はそんな女の態度に慣れており、表面的には同情的だが、動作の端々面倒くささが顕著。スリッパの揺れ。くゆる紫煙。

カメラ=荒い画質。字幕が強調されるように。

女の顔には豚の仮面。医師の顔にも。

 

女「私の子ども…」視線は足元に固定。対照的に手が落ち着かない。(字幕「女はそっと自らの手首を愛撫する。」)

医師「まあ、仕方がないことだったんです。そう落ち込まずに」首を鳴らす。(字幕「頭を流れる同性愛の記憶」)

女「でも…」(字幕「一番強いalcohole」)

医師「ええと、手術は成功ですよ。術後の経過もよろしい」(字幕「ちらりと掠める覗き見た父の自慰」)

女「先生」視線をあげる。手の動きが止まる。硬く拳を握っている。(字幕「セックスを拒む男」)

医師「なんですか」椅子に掛け直す様な仕草。(字幕「埼京線」)

女「あの子は、私の子どもは、もう人間の形をしていたんですか」(字幕「池袋」「女子校」「母と相似形」短いテンポで)

医師「(ため息)ええとね。取り出したときにはぐちゃぐちゃなんだからそんなのわかるわけないでしょ」大きく紫煙を吐き出す。幾ばくか女の顔にかかる。(字幕「どうしてここにいるのか知っている?」)

女「そうですか」視線は再び足元に。(字幕「『鬱病』」)

医師「うん」煙草をもみ消す。(字幕「『歪むリスト・カット』」)

 

女と医師が向き合ったまま数秒。さっとスタッフロール。

 

V「本編後」 

製作&出演

秋元悠輔(編集)

清水隆弘(医師役)

鈴原順(脚本)

松島由峻(撮影)

村上翼(女役)

 

協力

立教大学

 

製作

いさびの会

 

「いさび作品」のマーク。

 

 

 

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